時間や空間に縛られない働き方~働き方の未来②

「パパおはよう。今日はどこで仕事するの?」

「海でも行こうかな~。いや、山でもいいなぁ~」

「いいなぁ~、パパは。僕も早く大人になって仕事がしたいっ!」

「あははは~。そうだな、その頃にはもっと楽しい仕事があるだろうな」

「楽しみだなぁ。じゃあ、学校に行ってくるね。行ってきまーす。」


 毎朝会社に通勤していた頃が懐かしくもある。通勤ラッシュという言葉は死語になった。

平成時代の通勤ラッシュの映像がたまにテレビで流れるが、その様を見た息子は「アイドルのライブの帰りみたいだね」と言っていた。あの頃は毎朝がそうだったのに。。。


 会社に出勤するのは週に1回あるかないかになった。パソコンとスマホがあればどこでも仕事ができる。会議もWeb会議での参加だ。出勤する社員は少なくなったので本社のビルはすごくコンパクトになった。おかげで固定費が激減して収益性が良くなった。


社員と会わないのかって?


 社内用SNSで誰が何しているかよく知っている。毎日会っている感じだ。

でも、大きなプロジェクトがある時はメンバーが集まって仕事をする時もある。

やはり、リアルに会ってコミュニケーションを密にした方がいい方向にいく。

でも、その場は会議室ではなく温泉旅館だったり、リゾートホテルなんだ。

ワクワクする場でやった方がいいアイディアが産まれる。

午前中に海で泳いで、午後から集中して夜中までみっちり仕事をしたりね。

もう残業とか定時とかの労働時間の縛りはなくなった。

昔はよくも会議室で何時間も居たよな~。あの頃はそれが当たり前だったんだ。


えっ、会社に行かずにみんなどこで仕事をしているかって?

自宅はもちろん、みんな外に出て仕事もしているよ。家にいると家事をさせられるからね。(笑)

そうそう、そういうニーズでマンガ喫茶が急にオフィス喫茶に変わったよ。マンガも置いているけどビジネス関連の雑誌や書籍、そこでセミナーなんかも行われる。

ここに居ると面白いのがいろんな人と出逢える。同業種も異業種もここでの交流が仕事に有益になる事が多い。会社勤務ではなかなか異業種と交流する機会が少なかったのでとても楽しいし得るモノが多い。


 会社とは年間の目標設定での契約になっている。その成果で年収が変わるのだ。だから複数の企業と契約して仕事をしても構わない。僕は今3社と契約している。これもブログのおかげだ。ブログと言う個人メディアを僕は9年間毎日ずっと発信してきた。それが政府が動き出した「働き方改革」後にかなり有利になった。今でも時々ブログを見てオファーが来るのだ。サラリーマンでもずっと発信してきて良かったと思う。ブログをやってなかったらと思うとゾッとする。ブログがセーフティーネットになっていたのだ。

 ブログだけじゃない。SNSもずっとやってきた。オフィス喫茶の交流だけじゃなく、SNSの友人の交流もかなり有益だ。これらのコミュニティはビジネスでなにかしらの影響がある。

当たり前だが、結局ひとりでは仕事はできない。もう1企業に属しているサラリーマンではないので個人事業主と同じなのだ。


 妻は個人事業主として仕事をしている。子どもが小さかったあの頃はパートタイマーとして働いていたが今はパートタイマーという雇用はなくなった。働く人は仕事内容に応じて、一日のうちに働く時間を自由に選択するため、
フルタイムで働いた人だけが正規の働き方という考え方が成立しない。フルタイムというのがないのでパートタイムもない。僕らと同じなのだ。成果をだせば同様の賃金が与えられる。だから優秀な女性社員は子育て中でも会社を辞めずに仕事を続けられるようになった。

少子高齢化の今の時代、彼女らがいなくなるのはモッタイナイのだ。


 学校の授業も僕らの時代とは全く違う。。自立するための教育になり、「好きで得意な道選び」を実現するための教育になった。「好き」というのがこれから大人になって働くことでの重要なキーワードなのだ。


あっ、そろそろ家に帰らないと。

妻に子ども達の夕食を作ってと頼まれていたんだった。

この話のつづきはまたの機会で。


※この話は厚生労働省が約20年後の2035年頃を見据えて報告書にした「働き方の未来2035:一人ひとりが輝くために」から妄想したフィクションである。

参照:前回の関連記事 従業員と個人事業主との境がなくなっていく時代がやってくる。働き方の未来①